「毎晩いびきがひどいと家族に言われる」「しっかり寝ているのに日中の眠気がとれない」――こうした症状が続いているなら、一度睡眠の検査を受けてみるのがおすすめです。しかし「どこで受ければいいの?」「費用はどれくらい?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
睡眠に関する検査は、実は自宅で手軽にできるものから、病院に一泊して詳しく調べるものまでさまざまな種類があります。症状や目的に応じて適切な検査を選ぶことで、睡眠の問題の原因を正確に突き止めることができます。
この記事では、睡眠検査の種類や費用、具体的な流れ、そしてどんな医療機関で受けられるのかを詳しくお伝えします。検査を受けるかどうか迷っている方にも役立つ内容です。
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睡眠の検査が必要なサイン
まずは「自分に検査が必要かどうか」の判断基準について知っておきましょう。以下のような症状が継続して見られる場合は、睡眠検査を検討する価値があります。
- 大きないびきを指摘される(特に途中で呼吸が止まると言われる)
- 日中に強い眠気を感じ、仕事や運転に支障が出る
- 夜中に何度も目が覚める
- 朝起きたときに頭痛がある
- 十分な時間寝ているのに疲れがとれない
- 足がむずむずして眠れない
これらの症状がある場合、睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群、ナルコレプシーなどの睡眠障害が隠れている可能性があります。放置すると高血圧や心疾患のリスクが高まるケースもあるため、早めの検査をおすすめします。

睡眠検査の主な種類
睡眠に関する検査にはいくつかの種類があります。それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合った検査を選びましょう。
簡易検査(パルスオキシメトリー検査)
自宅で行える最も手軽な検査です。指先にセンサーを装着して一晩眠るだけで、血中の酸素飽和度の変動を記録できます。主に睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング(ふるい分け)に使われます。
検査機器は医療機関から貸し出され、自分で装着して寝るだけなので、普段の睡眠環境のまま測定できるのがメリットです。ただし、脳波や筋電図などの詳細なデータはとれないため、あくまでスクリーニングとしての位置づけです。
携帯型睡眠検査(自宅PSG簡易版)
パルスオキシメトリーよりも詳しいデータが取れる自宅検査です。鼻の気流センサー、胸・腹の呼吸バンド、指先のパルスオキシメーターなど、複数のセンサーを装着して寝ます。無呼吸の回数や種類(閉塞性か中枢性か)をより正確に判定できます。
自宅で行えるため入院の必要がなく、仕事への影響が少ない点が魅力です。費用も入院検査に比べて抑えられます。
終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)
睡眠検査の中で最も詳しい検査がPSG(ポリソムノグラフィー)検査です。病院に一泊して、脳波・眼球運動・筋電図・心電図・呼吸・血中酸素濃度など、多数のセンサーを装着して睡眠の状態を総合的に記録します。
睡眠のステージ(浅い眠り・深い眠り・レム睡眠)がどの程度得られているか、無呼吸や低呼吸が何回起きているか、脚の動き(周期性四肢運動障害)があるかなど、あらゆる角度から睡眠を分析できます。
反復睡眠潜時検査(MSLT)
日中の眠気の程度を客観的に測定する検査です。PSG検査の翌日に行われることが多く、昼間に2時間おきに「横になって寝てください」と指示される検査を4〜5回繰り返します。寝入るまでの時間(睡眠潜時)を測定し、ナルコレプシーなどの過眠症の診断に用いられます。
アクチグラフ検査
腕時計型の装置を数日〜数週間装着し、活動量から睡眠・覚醒のリズムを推定する検査です。概日リズム睡眠障害(体内時計のずれによる睡眠障害)の診断に使われます。自宅で日常生活を送りながらデータを収集できるのが特徴です。
- まずは簡易検査でスクリーニング→必要に応じてPSG検査へ進むのが一般的
- 自宅でできる検査と入院が必要な検査がある
- PSG検査は最も詳しいが入院が必要
- 日中の過眠が問題ならMSLTも検討
睡眠検査の費用はどれくらい?
睡眠検査の費用は検査の種類や医療機関によって異なりますが、多くの場合健康保険が適用されます。医師が検査の必要性を認めた場合に保険適用となるため、まずは受診して相談するのが確実です。
検査別の費用目安(3割負担の場合)
簡易検査(パルスオキシメトリー)は自己負担3,000〜5,000円程度です。機器の貸し出し料と結果の解析料が含まれます。手軽に受けられるため、まずはこの検査から始めることが多いです。
携帯型睡眠検査は自己負担5,000〜10,000円程度です。簡易検査よりもセンサーの数が多いぶん費用はやや高くなりますが、自宅で行えるため入院費はかかりません。
PSG検査(入院)は自己負担15,000〜30,000円程度です。一泊入院の費用に加え、多数のセンサーによる計測・解析費用が含まれます。個室料金が別途かかる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
MSLT検査はPSG検査と合わせて行うことが多く、追加で5,000〜10,000円程度です。

睡眠検査はどこで受けられる?
睡眠検査を受けられる医療機関は、大きく分けて3つのタイプがあります。
睡眠専門外来・睡眠センター
睡眠医療を専門に行う医療機関です。PSG検査用の設備が整っており、睡眠専門医が在籍していることが多いため、正確な診断と適切な治療が期待できます。日本睡眠学会の認定医療機関であれば、専門性の高さが担保されています。
呼吸器内科・耳鼻咽喉科
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、呼吸器内科や耳鼻咽喉科でも検査を受けられます。いびきや無呼吸が主な症状の場合は、これらの診療科を受診するのがスムーズです。簡易検査や携帯型検査はほとんどの呼吸器内科で対応しています。
総合病院・大学病院
複数の診療科が連携して診てもらえるのが総合病院や大学病院のメリットです。睡眠障害の原因が複合的な場合(例えば、精神的なストレスと身体的な疾患が重なっている場合)に適しています。ただし、紹介状が必要なケースもあるため、事前に確認しましょう。
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睡眠検査の流れ|受診から結果までのステップ
実際に検査を受ける場合、どのような流れになるのかを事前に知っておくと安心です。ここでは一般的な流れを紹介します。
ステップ1:初診・問診
まずは医療機関を受診し、医師に症状を伝えます。「いつから症状があるか」「日中の眠気はどの程度か」「いびきの有無」「生活習慣」などについて詳しく聞かれます。エプワース眠気尺度(ESS)などの質問票に記入することもあります。
問診の結果を踏まえて、医師が必要な検査の種類を判断します。
ステップ2:簡易検査(自宅)
多くの場合、まずは自宅で行う簡易検査から始まります。医療機関で機器を受け取り、装着方法の説明を受けたら自宅に持ち帰ります。就寝時にセンサーを装着して一晩眠り、翌日以降に機器を返却します。
ステップ3:結果説明
数日〜1週間後に結果が出ます。無呼吸低呼吸指数(AHI)が5以上であれば睡眠時無呼吸症候群の可能性が示唆され、AHIが40以上など重症の場合はCPAP療法がすぐに開始されることもあります。中等症の場合は、より詳しいPSG検査を勧められることがあります。
ステップ4:PSG検査(入院)
簡易検査で精密検査が必要と判断された場合、PSG検査が行われます。夕方から夜に病院に入り、各センサーを技師に装着してもらいます。装着には30分〜1時間ほどかかります。
センサーがたくさん付いた状態で眠れるのか不安になる方もいますが、意外と多くの方が眠れています。完璧に普段通りの睡眠でなくても、診断に必要なデータは十分得られることがほとんどです。翌朝にセンサーを外し、退院となります。
ステップ5:治療方針の決定
PSG検査の結果をもとに、治療方針が決定されます。睡眠時無呼吸症候群であればCPAP療法やマウスピース療法、不眠症であれば認知行動療法や薬物療法など、症状に合わせた治療が提案されます。

検査を受ける前に準備しておきたいこと
検査をスムーズに受けるために、以下の準備をしておくと役立ちます。
睡眠日誌をつけておく
受診の2週間前くらいから、就寝時間・起床時間・夜中に目覚めた回数・日中の眠気の程度などを記録しておくと、医師が症状を把握しやすくなります。スマートフォンの睡眠記録アプリを活用するのも手軽でおすすめです。
普段の薬やサプリメントを確認する
服用中の薬やサプリメントがある場合は、リストにして持参しましょう。睡眠に影響する成分が含まれている場合、検査前に中止するよう指示されることがあります。自己判断で中止せず、必ず医師に相談してください。
入院検査の場合の持ち物
PSG検査で入院する場合は、パジャマ(前開きが望ましい)、洗面用具、着替えなどが必要です。カフェインやアルコールは検査当日は避けるよう指示されることが多いので、事前に確認しておきましょう。
検査結果の読み方|主な指標を理解する
検査結果に出てくる主な指標について、基本的な読み方を知っておくと、医師の説明がスムーズに理解できます。
AHI(無呼吸低呼吸指数)
1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数を示す指標です。5未満が正常、5〜15が軽症、15〜30が中等症、30以上が重症と分類されます。AHIが20以上でCPAP療法の保険適用対象となります。
SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)
血液中の酸素の割合を示す数値で、正常値は96〜100%です。睡眠中にこの値が繰り返し低下する場合、無呼吸によって十分な酸素が取り込めていないことを示します。
睡眠効率
ベッドにいた時間のうち、実際に眠っていた時間の割合です。85%以上が正常とされ、これより低い場合は中途覚醒や入眠困難がある可能性を示唆します。
- AHIは無呼吸の重症度を示す最も重要な指標
- SpO2の低下は体への酸素供給不足を意味する
- 睡眠効率は睡眠の質を反映する
- 数値だけで判断せず、必ず医師の説明を受ける
よくある質問(Q&A)
Q. 睡眠検査は何科を受診すればいいですか?
A. いびきや無呼吸が気になる場合は呼吸器内科や耳鼻咽喉科、不眠の場合は心療内科や精神科が一般的です。睡眠専門外来があればそちらが最もスムーズです。
Q. 簡易検査で異常なしでも症状が続く場合はどうすればいいですか?
A. 簡易検査は主に無呼吸を調べるものなので、他の睡眠障害は検出できないことがあります。症状が続くなら、PSG検査を受けるか、睡眠専門医に改めて相談してみてください。
Q. PSG検査の入院中にトイレに行けますか?
A. はい、行けます。センサーのケーブルは長めに確保されていますし、看護師やスタッフに声をかければ対応してもらえます。トイレに行ったことも含めてデータとして記録されます。
Q. 子どもでも睡眠検査を受けられますか?
A. 受けられます。子どものいびきや無呼吸はアデノイド肥大や扁桃腺肥大が原因であることが多く、小児科や耳鼻咽喉科で対応しています。小児対応のPSG検査を実施している医療機関を探してみてください。

睡眠検査は「受けるのが面倒」「大げさかも」と感じる方もいるかもしれませんが、睡眠の質を客観的に把握できる貴重な機会です。もし日中の眠気やいびき、中途覚醒に悩んでいるなら、まずは簡易検査から試してみてはいかがでしょうか。正しい診断を受けることが、快眠への第一歩になります。
参考:日本睡眠学会
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「睡眠時無呼吸症候群」(www.e-healthnet.mhlw.go.jp・サイト終了)
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