マットレスの裏側にカビが生えていた、という経験はないでしょうか。実はこれ、珍しいことではありません。とくに床に直置きしている場合や、すのこベッドを使っていても通気性が不十分なケースでは、マットレスの底面に湿気がたまりやすくなります。
人は寝ている間にコップ約1杯分の汗をかくと言われています。その水分がマットレスに吸収され、行き場を失って底面に結露する。これがカビの原因です。一度カビが生えてしまったマットレスは完全に除去するのが難しいため、予防が何より大切です。
この記事では、マットレスのカビを未然に防ぐための除湿シートについて、仕組みから選び方、おすすめ製品まで詳しく紹介していきます。
マットレスにカビが生える原因
カビが発生するためには、「温度」「湿度」「栄養」の3つの条件が揃う必要があります。マットレスの底面は、この3つがすべて揃いやすい環境なのです。
温度
カビが活発に繁殖するのは20〜30度の温度帯です。体温で温められたマットレスの底面は、まさにこの温度帯に入ります。とくに梅雨時期や夏場は室温も高いため、カビのリスクが一気に上がります。
湿度
カビは湿度が70%以上になると活発に繁殖を始めます。マットレスと床の間は空気が滞留しやすく、就寝中の汗が湿気となってたまりやすい場所です。冬場でも結露が発生すればカビの温床になり得ます。
栄養
人の汗や皮脂、フケ、ホコリなどがカビの栄養源になります。定期的にシーツを洗っていても、マットレスの底面にはこれらの汚れが少しずつ蓄積していきます。
マットレスのカビは見た目の問題だけではありません。カビの胞子を吸い込むことで、アレルギー性鼻炎や喘息、皮膚炎などの健康被害を引き起こす可能性があります。とくに小さなお子さんやアレルギー体質の方は注意が必要です。
除湿シートの仕組みと効果
除湿シートは、マットレスと床(またはベッドフレーム)の間に敷いて使うシートです。シリカゲルやモイスファインなどの吸湿素材が湿気を吸い取り、マットレス底面の結露を防いでくれます。
主な吸湿素材の種類
- シリカゲル:お菓子の乾燥剤でおなじみの素材。吸湿力が高く、価格も手頃です
- モイスファイン:東洋紡が開発した高性能吸湿繊維。シリカゲルの約2〜3倍の吸湿力があります
- ベルオアシス:帝人が開発した吸放湿繊維。自重の約80%もの水分を吸収できます
多くの除湿シートには湿気センサー(吸湿サイン)が付いています。シートが十分に湿気を吸うとセンサーの色が変わり、干すタイミングを教えてくれます。天日干しまたは布団乾燥機で乾燥させれば、繰り返し使用できます。

除湿シートの選び方|4つのチェックポイント
1. 吸湿量で選ぶ
吸湿量は除湿シートの性能を左右する最も重要なスペックです。一般的にシリカゲルタイプで約200〜400ml、モイスファインやベルオアシスを使った高性能タイプで約500〜850mlの吸湿量があります。
汗っかきの方や梅雨時期に使いたい場合は、吸湿量500ml以上のモデルを選ぶのがおすすめです。ベッドフレームの選び方も湿気対策に大きく関わります。

2. サイズを確認する
除湿シートのサイズは、使っているマットレスに合わせて選びましょう。マットレスよりも小さいシートを使うと、カバーしきれない部分から湿気がたまってしまいます。シングルならシングル用、ダブルならダブル用をきちんと選んでください。
3. 防カビ・防ダニ加工の有無
除湿シート自体にカビが生えてしまっては本末転倒です。防カビ加工が施されたモデルを選ぶと安心です。また、防ダニ加工がついているものなら、ダニ対策としても一石二鳥になります。
4. 洗濯可能かどうか
長期間使うものなので、洗濯機で丸洗いできるかどうかも大事です。洗えるタイプなら衛生的に使い続けることができます。
除湿シート選びで優先すべきは以下の順番です。
- 吸湿量(500ml以上がおすすめ)
- サイズ(マットレスに合ったもの)
- 防カビ・防ダニ加工
- 洗濯可能かどうか
おすすめの除湿シート5選
西川 からっと寝 除湿シート
寝具メーカー大手の西川が販売する除湿シートです。モイスファインを使用しており、吸湿量は約660ml(シングルサイズ)と高性能。湿気センサー付きで、干すタイミングが一目で分かります。
洗濯機で丸洗い可能で、防ダニ加工も施されています。価格はシングルで4,000〜6,000円程度です。
ニトリ 除湿シート(シリカゲルタイプ)
コスパ重視で選ぶならニトリの除湿シートがおすすめです。シリカゲルタイプで吸湿量は約300ml程度ですが、価格が2,000円前後と非常に手頃です。湿気センサーも付いており、初めて除湿シートを使う方の入門用に最適です。
帝人 快眠ドライ 除湿シート
帝人独自の吸放湿繊維「ベルオアシス」を採用したハイスペックモデルです。吸湿量は約850mlと業界トップクラス。汗っかきの方や、湿気の多い1階の部屋で使う方に向いています。
防カビ・抗菌防臭加工済みで、洗濯も可能です。価格はシングルで5,000〜7,000円程度です。
タンスのゲン 除湿シート
シリカゲルとモイスファインのハイブリッドタイプで、吸湿量約510mlのバランスの取れたモデルです。湿気センサー、防カビ・防ダニ・抗菌加工と機能が揃っており、価格も3,000〜4,000円程度と良心的です。
アイリスオーヤマ 除湿シート
シリカゲルタイプのベーシックモデルです。防ダニ加工と湿気センサーを搭載し、洗濯機対応。価格は2,000円前後で、ニトリと並ぶコスパの良さが魅力です。


除湿シートの正しい使い方
敷く場所
除湿シートはマットレスの下に敷くのが基本です。マットレスと床(またはベッドフレーム)の間に挟むことで、底面にたまる湿気を吸い取ります。マットレスの上に敷くのは間違いなので注意してください。
干すタイミング
湿気センサーの色が変わったら、天日干しで乾燥させます。目安としては、夏場は1〜2週間に1回、冬場は2〜4週間に1回程度です。布団乾燥機を使えば天候を気にせず乾燥できます。
交換時期
除湿シートの寿命は製品にもよりますが、一般的に2〜3年です。吸湿力が明らかに落ちてきた(センサーがすぐに色変わりする、干しても回復しにくい)と感じたら交換時期です。
除湿シート以外のカビ対策も併用しよう
除湿シートは非常に効果的ですが、これだけに頼るのではなく、他のカビ対策も併用するとより安心です。マットレスのよくある疑問は以下の記事でも解決できます。



- 定期的にマットレスを立てかける:2週間に1回、壁に立てかけて底面の空気を入れ替えます
- すのこベッドを使う:床との間に空間を作り、通気性を確保します
- 部屋の換気:窓を開けて空気を入れ替え、室内の湿度を下げます
- 布団乾燥機の活用:マットレス内部の湿気を熱で飛ばします
- 敷きパッドの使用:汗をマットレス本体に浸透させないための第一防衛線です
カビ対策は「除湿シート+すのこ+定期的な立てかけ」の3点セットが理想です。どれか1つだけでは不十分なので、できる範囲で組み合わせてみてください。


参考:厚生労働省 住宅における衛生対策(www.mhlw.go.jp・サイト終了)
参考:西川公式サイト
よくある質問(Q&A)
Q. 除湿シートはベッドフレームを使っていても必要ですか?
A. ベッドフレームを使っていても、フレームの構造によっては湿気がたまることがあります。とくに板状のフラットフレームの場合は、すのこフレームに比べて通気性が悪いため、除湿シートを敷いたほうが安心です。
Q. 除湿シートを敷いているのにカビが生えました。なぜですか?
A. 除湿シートの吸湿量を超えてしまった可能性があります。センサーが色変わりしたまま放置していると、シートの吸湿力が飽和状態になり、それ以上湿気を吸えなくなります。センサーの色が変わったらすぐに干す習慣をつけてください。
Q. 除湿シートは裏表がありますか?
A. 製品によって異なりますが、多くの場合は湿気センサーが付いている面を上(マットレス側)にして敷きます。取扱説明書で確認してから使用してください。
Q. 除湿シートの代わりに新聞紙でも効果はありますか?
A. 新聞紙にも多少の吸湿効果はありますが、吸湿量は除湿シートと比べると大幅に劣ります。応急処置としてはアリですが、長期的なカビ対策としては除湿シートの使用をおすすめします。インクの色移りのリスクもあります。
Q. 除湿シートとマットレスプロテクターは何が違いますか?
A. 除湿シートはマットレスの「下」に敷いて底面の湿気を吸い取るものです。マットレスプロテクターはマットレスの「上」にかぶせて、汗や汚れからマットレス表面を守るものです。役割が異なるので、両方使うのが理想的です。
参考:帝人株式会社

